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デジタル化が加速する中、私たちは新たな技術的転換点に立っています。それは量子コンピュータの実用化です。
量子コンピュータは、現在の暗号技術(RSAやECCなど)を短時間で解読してしまう可能性を秘めており、顧客データや取引情報の保護において、これまでにないリスクをもたらします。特に、将来の解読を目的として現在暗号化されたデータを盗み出す「今盗んで、後で解読する(Harvest Now, Decrypt Later) 」攻撃への対策は、全ての企業にとって喫緊の課題です。
耐量子セキュリティへの道:4つのステップ
パロアルトネットワークスでは、耐量子コンピュータ暗号(PQC)への移行を計画的に進めるため、以下の「4つのステップ」を推奨しています。
1. 棚卸し (Inventory) :組織内のどこで、どのような暗号化アルゴリズムが使用されているかを完全に可視化します。パロアルトネットワークスの次世代ファイアウォールは、既存ネットワークに影響を与えない「Tapモード(パケットコピーの受信)」での配置が可能です。NWインライン導入による既存ネットワーク変更が不要で、極めて低リスクかつ迅速に現状の暗号資産の棚卸しを開始できるのが大きな利点です。

2. 優先順位付け (Prioritize) :保護すべきデータの重要度や、データの「有効期限(いつまで情報を保持する必要があるか)」に基づき、対応の優先順位を決定します。長期的な保護が求められる顧客資産情報や個人データなど、量子攻撃のリスクが最も高い領域から順にランク付けを行います。

3. 計画 (Plan): いつ、どのシステムをPQC(耐量子コンピュータ暗号)へ移行するか、具体的なタイムラインと予算を策定します。ベンダーのサポート状況や既存機器の更新サイクルを考慮に入れ、ビジネスへの影響を最小限に抑えた現実的な移行ロードマップを描きます。
4. 修正・移行 (Remediate): 最新のPAN-OS 12.0などを活用し、優先度の高いネットワーク経路から順次、PQCを実装・適用していきます。これにより、従来の暗号技術と最新の耐量子アルゴリズムを組み合わせた「ハイブリッド暗号」を導入し、将来にわたる安全な通信を確立します。
リリーススケジュール
パロアルトネットワークスの「耐量子セキュリティ(Quantum-Safe Security)」ソリューションは、2026年1月30日より一般提供を開始しました。また、2026年4月には、さらなる統合機能の強化も予定されています。
暗号技術の更新には時間がかかります。特に複雑なシステムを持つ企業においては、まずはネットワーク構成変更の不要な「Tapモード」を活用し、今すぐ「棚卸し」から始めることが、将来の信頼を守る現実的かつ最善の第一歩となります。
詳細はこちら(原文:英語) 4つのステージの詳細や、最新のPQCサポートに関する技術的な背景は、以下のグローバルブログをご確認ください。 Introducing Quantum-Safe Security for a Post-Quantum World